今日、とても久しぶりに日高市議会の全員協議会を傍聴しました。
色々な議題はあったのですが、最後に、それらの議題が吹き飛ぶほど、見ていてとてもショッキングなことがありました。
近藤さおり議員に対して、公明党の鈴木議員(議長)よりなされた注意についてです。
先日開催された「日高市民まつり」の開会式の来賓席に、近藤議員がいなかったことをもって、
「来賓の行事への出席は議員の仕事だから、何が何でも参加するように。」
という趣旨の注意でした。
それに対して驚いた近藤議員と、鈴木議長らとの、大まかですがやりとりです。(ニュアンスのズレはほぼないと思います)
近藤議員「私は5歳の子どもがいます。子どものことがあったときには、今回のように参加が難しいこともあります。そういうときはあらかじめ市に伝えています。」
鈴木議長「言い訳は聞いていない。注意をしている。みんな仕事や介護など、事情があっても来ている。工夫はできませんか。」
近藤議員「出来る限り工夫して参加しています。しかしどうしても預けられないときもあるんです。議会の規定にも、介護や育児で欠席できるとあります。」
鈴木議員「皆さん事情があっても参加してるでしょ。工夫をして、誰かに預けるとかできるでしょ。」
近藤議員「工夫はしています。でも難しいこともある。育児とはそういうものです。」
森崎議員「何日も前から予定は分かってるんだから、来られないのはおかしいだろう。」
鈴木議員「工夫をすればいいでしょう。これ以上の話は必要ない。近藤さんの意見をきいているわけではない。」
近藤議員「では先ほどの、何がなんでも参加してくださいは撤回していただけますか。」
鈴木議員「工夫して出てくださいということです。」
・・・聴いていて、とてももの哀しくなりました。
思えば5年前、私が議員1年目のときも、市民まつりに息子を同席させたことで、当時の山田議長から注意を受けたことがありました。そのときのブログです👇。
こんなフラストレーションを抱えた議員活動のスタートではありました。
でも私の感覚では、次第に、男性の先輩議員も含めて、理解を示してくださるようになったように感じていました。
2年目、3年目には、「子どもは物ではない、小さいうちはお母さんとの時間が大切だから、お子さんを最優先にね。」という温かい言葉までも、何度となくいただけるようになりました。来賓席に、子どもと参加させていただいたことは数えきれないほどです。
そうした議会の理解と、夫や友人、ファミサポや支援者さんに支えられ、私は議員活動に集中することができました。
皆さんには今でも感謝していますし、そんな日高市議会を誇りに感じ、日高市なら子育て世代の議員も活躍できると思えばこそ、昨年の市議選では、ママ友だった成田議員や近藤議員に立候補をお願いしたという経緯もあります。彼女たちが当選された今期も、子育てには最善の配慮をいただいていたという認識でした。
それが、、、私が辞職してからのこの半年間で、一体何が起きたのでしょう・・・。
🐤🐤🐤
今回の議長の発言には、子育てへの無理解だけでなく、いくつかの疑問が残ります。
まず、議員が来賓行事に欠席することは、議長注意を受けることなのでしょうか。
議案の審議は議員の定められた仕事です。
しかしそれ以外の活動については、個々の議員が、それぞれの信念に従って選択すべきであり、その考えは尊重されるべきです。その是非を判断するのは有権者です。
そして、来賓行事への参加は、議員の仕事としてそんなに優先度の高いことなのでしょうか。
私は、日々接する有権者さん達から、議員が行事で来賓席に座ることを強く期待されていると感じたことはあまりありませんでした。
それよりも、日ごろの対話の場づくりや訪問活動、視察や調査活動、そしてそれらによる政策提案や議会質問こそ、私のような議員に期待されていることだと感じていましたし、そのご期待に応えることこそ優先すべきことだと心得ていました。
むしろ市民の方からは、「正直、来賓は少なければ少ないほど良い。挨拶が長いのも迷惑だし、来賓席のために受付やお茶出しの人員を割かれることも負担。」という声をよくいただいていました。
私自身、市内の行事で、一番見やすい場所に、市長はじめ議員がずらっと並んでいる、そして挨拶が終わるともぬけの殻という席組は、あまり好きではなく、変えていきたいと思っていた風景の一つです。
来賓用駐車場がわざわざ用意され誘導員が一人立っていたりすることなども含めて、政治家が、自分の立場を何か勘違いしてしまう仕組みの一つとも言えるのではないでしょうか。
もちろん、行事に呼んでいただけることは有難く、参加することで地域の皆さんと直接お話して、様々な声をいただけたり、地域の状況を知れたりする貴重な機会でした。
ただ、そのために「来賓席」は必要ないというのは感じていたところです。
🐤🐤🐤
日高市は、少子化対策も福祉施策も多くの面で遅れています。
今日の議長の対応に、他の議員は皆さん沈黙されていましたが、どんなことを感じられていたのでしょうか。祈るような想いです。
議会に多様性が求められるなか、多様な立場の人間が議員になれる環境づくりはとても大切ですし、子育てに限らず、市民の生活実態を肌感でも理解できる人間が、議員であってほしいと思います。
議会のこういった面を記事にするのはなるべく避けてきたところではありますが、議員でなくなった今、私にできることとして、今回は言葉にしてみました。
皆さんはどうお感じになりますか。