ウェルビーイングポリシー研究会主催の勉強会で、横瀬町に行ってきました!
横瀬町から発信され続けてきたこの「幸福研究」に関する勉強会。
とうとう今回は、富田能成町長が幸福のまちづくりについてお話されるということで、これは必聴!!と現地参加させていただきました。
横瀬町は、人口8,000人のこれまであまり知られていなかった”小さな町”ですが、富田町長は「日本一チャレンジする町」としてユニークなまちづくりを進め、SUUMO2021の住み続けたい街ランキングで異例のランクイン。
今では、埼玉県内の屈指のプレーヤー達がこぞってまちづくりに参加する、話題の町になっています。
人口減少と正面から向き合う
富田町長の政策の中心テーマはずばり、「人口減少」。
2060年では趨勢人口が2600人と言われているところを、5400人で下げ留め安定させることをビジョンとされています。
「予見できない未来において、中長期の計画を立ててもリアリティがない。ただし数少ない予見できる未来は人口動態なので、それを中心に政策を組み立ててている。」
とのことでした。
よこらぼ
ヒトモノカネ情報を呼び込みたい。
そこで、未来を変えるためにまず始めたのが、いまや全国的にあまりにも有名になったビジネスコンテスト「よこらぼ」。
「企業誘致はレッドオーシャン。勝つためには様々な基礎条件が必要。横瀬はそこでは勝てないので、企業にはまだなっていない、事業やプロジェクトや人を誘致する仕組みを考えた。」と町長。
よこらぼは、横瀬町で実証実験をしたい企業・団体・個人が応募し、採択されれば
その実現を、横瀬町がサポートするというもの。これまでに180件の応募があり、104件が採択されたそう。
驚くのは、予算措置をしたのはたったの4件ということ。
それで、メディア露出の機会が激増というシティプロモーション効果、実証実験による住民へのサービス向上、関係人口の増加という効果が産まれているとのことでした。
へそのない町にへそをつくる
「横瀬町にはいわゆる中心街がない。」
そこで、町内外の様々な人たちが関わる施設を、まちの中心につくろうという試みを始められています。
その一つは昨年オープンしたENgaWAチャレンジキッチン。
横瀬町が設立したまちづくり会社、株式会社ENgaWA(エンガワ)が手掛ける地域食材を用いた特産品の開発・販売の拠点です。
こちらについては、先日視察に伺わせていただき以下のブログに書いていますので、ぜひご覧ください。
②LAC(LivingAnywhere Commons 横瀬)
JAちちぶ、LIFULLグループ、横瀬町で協定を結び、今日の会場Area898の隣の建物をリノベーションし、宿泊できるコワーキングスペースを、「LivingAnywhere Commons 横瀬」として4月1日にオープンされるそうです。
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000214.000033058.html
子ども達の第三の居場所として学び集えるスペース「NAZELAB」を、2022年7月にオープン予定。
手掛けるのは、横瀬町で素敵すぎる森のようちえんや絵本カフェを運営されている「一般社団法人タテノイト」さん。
よこらぼももちろんですが、「行政がやる」のではなく、こういった、町内外のプレイヤーのやりたいこと、やれることを、うまく「行政がバックアップ」してまちづくりにつなげていくという役場のあり方が、横瀬町の素晴らしいところだと思います。
町長のリーダーシップ
チャレンジする&チャレンジを応援する役場の体質は、どうやってつくられているのか。
今回、一番興味津々だったテーマです。
町長としては、職員に期待する行動基準を、年に2回、職員にお話する機会を持たれているそう。
今日伺ったキーワードだけでも、
- 町民、町のためにが最優先
町長や上司や部署の顔色を見ず、町民に一番いいサービスを提供すること! - プロ意識
仕事に誇りと執着心を! - コミュニケーションが善
×沈黙は金 - スピード重視
×行政の無謬性 - ファーストペンギン志向
×前例主義。一番乗りのほうが目立つし得!
といった、分かりやすい言葉が並んでいました。
いつも同じ話ばかりしているので職員は耳タコだろう、と笑ってらっしゃいましたが、
そこまで繰り返しメッセージされることが、やはり大事ですよね。
また、チャレンジとスピードを求める一方で、同時に求められる行政としてのリスクマネジメント。これについては、町長の金融機関のバックグラウンドが生きているというのも感じました。
幸福論について
本勉強会のテーマ、幸福論とまちづくりについて。
横瀬町では、前野隆司氏の講演会を複数回開催。
学校では、彼の幸福学をもとに、「やってみよう、ありがとう、なんとかなる、あなたらしく」という4つの幸福因子について全児童が学んでいるそうです。
横瀬町が絶えず発信している以下の5つのスローガンも、図らずもこの4つに関係しているとおっしゃっていました。
- 日本一チャレンジする町
- オープン&フレンドリー
- カラフルタウン
- 帰ってきたくなる町
- 歩きたくなる町
日本一チャレンジする町
最後に、町長の印象的だった言葉をご紹介します。
チャレンジは精神論ではない。
未来が分からないので、経験知の価値は落ちている。
やってみないと分からないことが増えている。
だから、たくさんやってみるしかない。
たくさんチャレンジすれば、それだけ失敗を伴う。
そこで傷ついた人を、受け止められる町でありたい。
横瀬町は、辺鄙なところにある小さな町だが、
今は、距離や財源といったハンデが小さくなり、
逆に、小さくて身軽であることが価値を出しやすい世の中になってきている。
未来に意思を込める。
この町の未来を変える、変えられるのは私たちだけ。
国がどうとかでなく、俺たちが俺たちの未来をつくる。
それが、国を変えることになる。
日高市にも完全に同様のことが言えると思っています。
始終、うんうんと頷くばかりでした。
地方を変えることで国を変えたい。
全く同じ想い(といったら僭越な表現になってしまうかもしれませんが…)でまちづくりをされている町長が、こんなに近くにいるということを感じられて、とても勇気づけられた夜でした。
富田町長、ウェルビーイングポリシー研究会さん、この度は素晴らしい機会を本当にありがとうございました!!