議会中継
日高市議会HPより動画をご覧いただけます。
一般質問全文
*正確な発言は、日高市議会HP掲載の会議録を参照ください
脱炭素社会の実現(温室効果ガスの排出実質ゼロ)についてです。
地球温暖化の問題については、前回、9月定例会でも、日高市第2次環境基本計画についての質問にて取り上げさせていただきましたが、今回は、さらに踏み込んで市の考えをお伺いします。
国が2050年カーボンニュートラルを目指すと宣言したことへの見解は
本年10月、菅首相が、2050年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロを目指すと宣言しました。
環境省では、2050 年に二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すと宣言した自治体を、「ゼロカーボンシティ」として認定しています。
また、世界的には、オーストラリアのデビアン市が2016年に「気候非常事態宣言」を行ったことに端を発し、気候変動への危機意識と対策を宣言する動きが拡がっています。こちらは先日、衆参両院でも決議されたところです。
日高市も、清流文化都市を掲げる自治体として、この日高の豊かで美しい自然、四季の恵み、安心して暮らせる環境を、将来の世代にわたりつないでいくために、このような宣言により、危機感を市民と共有し、行動に移していくべきタイミングに来ているかと考えます。市の見解をお伺いします。
「脱炭素社会の実現」とは、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする社会の実現でございます。
また、国が目指す「2050年カーボンニュートラル」は、温室効果ガス全体の排出量から、森林により吸収される量や排出量取引により削減される量を差し引くことで相殺後の排出量をゼロにするというものでございます。
日本国内におきまして宣言している自治体は、令和2年11月25日現在で175団体ございます。
内訳を申しますと、都道府県が24、市が95、特別区が2、町が44、村が10となっており、共同で表明する自治体が多い状況となっております。
なお、埼玉県内におきましては、さいたま市、秩父市、所沢市の3市がそれぞれ単独で表明しております。
現在、埼玉西部地域まちづくり協議会(ダイアプラン)を構成する5市が共同で「2050年までに二酸化炭素の排出実質ゼロ」を表明するための準備を進めているところでございまして、当市としましては、同協議会での広域連携に基づく共同表明をしていきたいと考えております。
第6次日高市総合計画及び第2次環境基本計画への反映は
2050年まで、残り30年という年月は、決して長くはありません。現在、策定中の第6次日高市総合計画および第2次環境基本計画は、10年にわたる長期計画です。
ここに反映していくことは、ゼロカーボン実現に向け、必要不可欠と考えます。
数値的な達成指標を定め、これから具体的な実現方法を検討していく方針をしっかりと盛り込み、市としての意欲が表現されるべきと考えます。お考えをお聞かせください。
「地球温暖化対策の推進に関する法律」では、地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じた温室効果ガスの排出抑制等のための施策を推進し、事業者や国民はその施策に協力することを定めております。
これらの趣旨を踏まえまして、第6次総合計画では、前期基本計画の施策17自然環境において、地球温暖化やその他の環境問題の取組を施策の柱の一つとして掲げ、脱炭素社会の実現に向けた方策の検討や省エネルギー化の取組により地球温暖化防止対策を推進することとしており、脱炭素社会の実現を目指していくという市の姿勢を反映しております。
また、第2次環境基本計画におきましては、第6次総合計画を踏まえ、これまでの取組の成果や昨今の社会情勢、本市の現状・課題などについて分析し、脱炭素社会の実現に向けた実効性のある計画にしてまいりたいと考えております。
なお、これによる具体的な達成目標等につきましては、第2次環境基本計画又はそれに付随する地球温暖化対策実行計画(事務事業編)の中で表現してまいりたいと考えております。
実現に向けた人づくりなど協働の推進に対する考えは
実現に向けては、何より市民の力が必要です。事業者、学校、ボランティア団体等の、関係諸団体と連携し、まちづくりを推進していかなくては、実現は到底、叶いません。市長の「まちづくりは人づくり」というスローガンには、強く共感しております。
ゼロカーボンに向けた、人づくり、協働促進のための施策をお聞きします。
「実現に向けた人づくりなど協働の推進に対する考え」についてでございますが、議員お示しのとおり、環境分野における人づくりや協働につきましては、一人一人が環境への関心をもち、課題の解消に向けて取組んでいくことが望まれていることから、大変重要な課題であると認識しております。
現在取組んでおります第2次環境基本計画の策定では、市、市民及び事業者が協働の重要性について認識し、環境教育、環境保全活動が充実したまちづくりが推進できるよう検討を進めているところでございます。
また、施策の展開につきましては、自然とふれあう機会の創出や日和田山や高麗川など、本市の豊かな自然環境を活用した環境教育の充実を図ることのほか、環境に関する保全活動の充実や地域コミュニティの活性化を図るなど、環境保全活動に取り組む市民、事業者とのネットワークの構築が図れるよう検討を進めているところでございます。
市民との協働を進めるためには、日高市が具体的にどのようにゼロカーボンを達成していくのか、分かりやすいビジョンを描き、市民と共有し、理解を浸透していくことが重要です。今後、具体的にどのように取り組んで行かれるのでしょうか。
市民との協働につきましては、具体的な取組について学ぶ機会として、環境省の講師派遣による勉強会など、順次、進めてまいります。
事業者との協働について伺います。
ゼロカーボン実現において、もっとも大きなテーマはエネルギー問題です。
秩父市や所沢市の例のように、日高市でも、市内で発電する事業者と連携しながら、地域電力会社をつくることは検討されませんでしょうか。電力の地産地消、地域経済の活性化、そして、日高市の実質排出量削減に繋がる推進力になると考えます。市民に安く売電できれば、日高市に住む魅力にも繋がります。いかがでしょうか。
事業者との協働につきましては、議員お示しのとおり、電力の地産地消などの事例があることは認識しております。今後、そのような事例等を踏まえまして研究してまいります。
福祉との協働について伺います。
温暖化対策における大きなテーマの一つが耕作放棄地であり、こちらも協働でしか解決しえません。現状、農業経営者に対する支援策は講じられていますが、農福連携として、福祉施設の方々の協力も得ることはきませんでしょうか。
たとえば、耕作放棄地を障がい者の方々に耕していただく、さらそこでソーラーシェアリングも設置すれば、自然エネルギー推進はもちろん、福祉施設の売上としても大きな期待ができます。いかがでしょうか。
福祉との協働につきましても、事例等を踏まえまして研究してまいります。
教育機関との協働について伺います。
環境教育を充実していかれるとのご答弁でしたが、次世代を担う、そして、温暖化の被害をこれから一番受けるであろう今の子ども達に、ゼロカーボンをとりまく社会状況について、学校教育の場でもしっかりと学べる機会を提供いただきたいと思います。
例えば菊川市の公立中学校、菊川西中学校では、総合学習の授業に、パーマカルチャーをESD教育として取り入れています。現場の先生からも評価が高く、2017年より継続的に行われています。日高市の方針をお聞きします。
教育機関との協働につきましては、「エコライフデー」や「3R促進ポスターコンクール」などに取組んでいるところでございますが、今後もより良い取組ができるよう、国が推進する事例や先例市による取組みなど、研究してまいります。
ボランティア団体との協働について伺います。
日高市内には、10を超えるたくさんの環境ボランティア団体が登録、活動されていますが、現状、市がボランティア活動として数えているのはわずか2団体のみとなっています。
ボランティア団体との協働は、これからますます重要になってくると考えますが、今後の施策をお聞かせください。
ボランティア団体との協働につきましては、ボランティア団体の活動内容等を確認することで、協働の視点を見出していきたいと思います。