一般質問全文

一般質問全文~小中学校の教職員の働き方改革について~令和4年9月議会

(1)進捗状況と課題について

こちらも同じく昨年9月に一般質問させていただきました。

一般質問全文:小中学校の教育改革について | 日高市議会議員 松尾まよか

その後の進捗状況と今後の課題をお伺いします。

答弁(教育部)

昨年9月の一般質問でお答えいたしました、ICカードによる勤務管理システムにつきましては、現在も運用を継続しておりまして、教職員個々の在校時間を定量的に把握し、負担軽減策の検討・実施や健康管理の指導等に役立てております。昨年度導入した校務支援システムにつきましても、教職員の活用が定着しておりまして、業務効率の改善・向上に役立てられているものと認識しているところでございます。

また、校長会の取組といたしまして、本年度から児童生徒に配付する通知表の所見欄を割愛することを全校で決定し、1学期から運用を開始しております。各校の取組といたしましても、会議資料のペーパーレス化や行事の精選はもとより、グーグルフォームを活用した保護者からの欠席連絡や各種アンケートの集計、時間外に電話対応する時間の設定、月1回の定時退勤を推進する「ふれあいデー」の実施など、各校が勤務実態や学校規模、校種などに応じた教職員の負担軽減策を講じているところでございます。

さらには、今年6月の定例校長会議では、教育委員会の企画に基づき「働き方改革の推進」をテーマとした情報交換や協議を実施いたしました。ここでは、各校がそれぞれの取組を持ち寄り、現状と課題、時間外在校等時間の縮減の工夫などの共有を図り、その結果をもとに、校種や地区ごとに今後の方向性についての検討を行いましたが、それぞれの学校におきましても、働き方改革に対する機運が一層高まっているものと認識しているところでございます。

教育委員会といたしましては、夏季休業日に3日間の学校閉庁日を設け、教職員が休暇を取得しやすい環境を整えてまいりましたが、今後は学校閉庁日の日数拡大など、引き続き、働き方改革の推進に関する取組を検討してまいりたいと考えております。

 

(2)勤務実態の把握についてです。

2019年の改正教職員給与特別措置法(通称、改正給特法)の制定をうけて、今年度、埼玉県でも、令和6年までに残業時間を月45時間に削減するという目標が掲げられました。

これに向けて日高市でもより一層の取組みを進めていかれることと思いますが、この目標の達成を目指すにあたっての大前提として、勤務実態を正しく把握する必要があります。

現場の教職員の方々からは、学校にいる間は個人的な作業時間が確保できないので、「テストの丸つけや翌日の授業準備などは、家に持ち帰ってやっている。皆そうしているし、そうでなければ回らない。」という声を、ごく当たり前のように聴きます。

在校時間だけを残業時間にカウントするという、いわゆるブラックな状況は、許容されるものではありません。数字上の目標は達成されても、実態は、カウントされない在宅勤務でカバーされている、というそれこそ員数合わせのようなことになってしまっては、意味がありません

これは日高市だけではなく、全国的な問題ではありますけれども、市としては最低限、勤務時間は正しく申告されているか、そして、持ち帰っての仕事時間がどれだけあるのかの把握が必須だと考えますが、いかがでしょうか。

 

答弁(教育部)

先ほどもお答えいたしました、ICカードによる勤務管理システムの運用につきましては、休日などの時間外在校等時間も必ず記録するよう、各校長に対して指示しておりまして、教職員個々の勤務記録に対する意識は高まっている状況にございます。

一方で、県教育委員会が定める「学校における働き方改革基本方針」では、自宅に持ち帰って業務を行った時間は在校時間に含まれないと規定しておりまして、在校時間の上限を遵守することのみが目的化し、持ち帰り業務の時間増が懸念されるところでございます。これを把握する手立てとして、持ち帰り業務の時間を日々記録して把握することが考えられますが、教職員の新たな負担が増えるほか、記録の客観性の観点からも困難であると捉えております。

しかしながら、持ち帰り業務の状況を大まかにでも把握することは、働き方改革の実効性を高めていくためにも重要でありますことから、今後、教育委員会といたしましては、グーグルフォームを活用した教職員向けのアンケートなど、実態把握を検討してまいりたいと考えております。

 

 

(3)保護者や教職員の理解を得る施策について伺います。

NPO法人スクールボイスプロジェクトによる教職員アンケートでは、授業準備の時間を1日の勤務時間内にどれくらい確保できているかという質問に対し、30分未満と回答した職員が9割以上でした。

新学習指導要領に基づいた学びの改革といっても、このようなわずかな時間では、実際に授業のスタイルを工夫し変えていくことは非常に厳しいものがあると思いますし、実際に市内の教職員の方々からも、そのようなお声を伺っています。

日高市における令和2年度「学校における働き方の現状に係るアンケート」の結果においても、「教材研究や授業準備等に十分な時間をとれているか」という設問に対し、半数以上が「取れていない」または「あまりとれていない」と回答されていました。

そして、その原因として、教職員の約4割が「保護者対応」に時間をとられていると回答しています。

保護者の学校への関わり方が、授業の質、子ども達の学びの質に直結しているという感覚を、保護者の方にもしっかり持っていただいて、そのための取組みを、保護者・教職員ともに理解、共有していくことが必要だと考えますが、どのような施策をしていかれますでしょうか。

 

答弁(教育部)

教職員が教材研究や授業準備に十分な時間を確保できていない点につきましては、本市の重要な課題であると認識しておりまして、その要因の1つとなっている保護者対応の縮減につきましては、保護者の理解と協力を得ることが不可欠であると考えております。

保護者の理解を求める取組といたしましては、県教育委員会が作成した「学校における働き方改革」に関する保護者・地域向けのリーフレットの全校配布や、各校のホームページや学校だよりで働き方改革に関する記事を掲載するなど、周知・啓発に努めているところでございます。

このような状況の中、先ほどもお答えいたしましたとおり、各校に対しては「時間外に電話対応する時間の設定」を指示しており、保護者に対しては「電話対応の時間について」という文書を通知して理解と協力を求めております。

こうした取組によって、徐々にではありますが、保護者や地域の理解が浸透していると実感しており、引き続き、周知・啓発を行ってまいりたいと考えております。

 

文部科学省は、「教師が担う必要のない業務」を改めて整理し公開しています。
この内容について、教職員および保護者に理解を促す必要があるかと思います。

例えばですが、登下校は「教師が担う必要のない業務」に定められておりますが、特に低学年の教職員の先生方からは、児童生徒の登下校、班編成や旗振りなどに、日々多くの時間が割かれていると聞いています。

これらの仕事について、保護者の理解がないまま、学校からやめると言い出すのは厳しいものもあると思います。教育委員会として「登下校については学校は関与できないので、保護者や地域で責任をもって管理・見守りをしてほしい」といった文書やメールを出すといったことも必要ではないでしょうか。

答弁(教育部)

各学校では、グーグルフォームを活用した欠席連絡の導入が進むなど、一部の業務で教職員の負担軽減の効果が表れていると認識しております。

教職員の働き方改革につきましては、今後、必要に応じて、市ホームページやメール配信システムを活用した周知・啓発を行うなど、引き続き、保護者の理解や協力を求めてまいりたいと考えております。

 

(4)教職員のニーズや意見の把握についてです。

教育委員会として、現場の先生方の意見やアイディアを聴いていくことも大切なことと思います。

教職員の方々からは、「自分達の実際の困りごとや、まず改善したほうがいいと考えていることなどを、校長先生だけでなく、教育委員会に直接伝える機会がほしい。」という声も伺っております。

そのような観点でのアンケートや、直接の対話の機会などを設けていけるとよいかと思いますが、いかがでしょうか。

 

答弁(教育部)

議員ご指摘のとおり、働き方改革に関する教職員のニーズや意見を教育委員会が把握することは、実態に基づいた総業務量の削減や教職員の健康を意識した働き方を進めていく上で、大変重要であるものと捉えております。

教職員個々の働き方に関する困りごとや改善策を把握し、業務改善に生かしていく主体は各学校となりますが、現在、県が委嘱する業務改善コーディネーターとなりました指導主事と主幹教諭が、学校における教職員の生の声を聴取し、現状や課題、業務改善策などについて話し合いを行っております。教育委員会といたしましても、適切な時期を見極めながら、教職員向けアンケートの実施について検討してまいりたいと考えております。

 

 

(5)推進体制についていです。

教職員の業務削減を検討するにあたっては、個々の業務、例えば、〇〇当番はやめても良いのではないかとか、そういった個々の活動を取り上げて、個々に要否を判断していくという進め方では、賛否が分かれやすく、なかなか進まない状況があります。

そうではなく、学校全体としてどれだけの量を減らす必要があるという立場から、どの業務を削減せざるをえないか、という全体的な議論が必要です。

国や県からは、市として「業務改善方針や計画等を策定」し、「定量的なフォローアップ」の実施や「業務改善のPDCAサイクル」を構築していくこと等が期待されていますが、そのような体制を整備していかれるのでしょうか。

 

答弁(教育部)

本市では、県教育委員会が策定した「学校における働き方改革基本方針」を参考といたしまして、令和2年に「日高市立小・中学校における働き方改革基本方針」を策定し、各学校において業務改善の取組を進めてまいりました。また、教育委員会では、各学校が業務改善に取り組むための条件整備を行うとともに、毎月の時間外在校等時間を把握し、管理職からの聴き取りや指導・助言を行うなど、必要なフォローアップを実践してまいりました。

県教育委員会では、昨年度が最終年度だった基本方針に関する3年間の評価・検証のほか、全校種で実施した「勤務実態調査」の結果を踏まえ、基本方針の改定を行いました。この改定では、これまでの目標から「時間外在校等時間 月45時間以内、年360時間以内の教員数の割合を令和6年度末までに100%に」へ変更し、この目標を達成した上で、学校教育の質の維持向上を図ることを目的に、教職員の多忙化の解消や負担軽減の新たな具体的取組を掲げております。

教育委員会といたしましては、県の改定に合わせ、今後、市の基本方針を改定していくこととし、これまで以上に、各校に対するフォローアップを行っていくことを当面の課題としております。また、各校で懸案となっている「始業前の教育活動の見直し」につきましては、校長会と連携しながら検討を行い、具体的な取組を進めてまいりたいと考えております。

 

 

(6)国や県への働きかけについてです。

この、教員の多忙化という問題、働き方改革の必要性が全国的に叫ばれるようになってから、既にかなりの年月が経ち、依然として解決されないまま、とうとう、今年からは教員採用試験の定員割れが起こるような状況になってきてしまいました。

教職員や支援員の増員や予算措置なしには、現場の力だけでは、解決し得ない状況にあるというのが実情であり、教育改革と残業時間削減の両立は、実現不可能であるとも言えるのではないでしょうか。

残業時間45時間を目標にしていながら、残業代が支給されないという法律にも大きな矛盾があります。

国から降りてきた45時間をただ粛々と現場の努力で達成しようとするだけでなく、それだけでは解決しないという現実、学校現場の実態をもとに、国や県に働きかけていくことも、地方分権改革が進められている中、基礎自治体の大切な役割だと考えますが、いかがでしょうか。

答弁(教育部)

教育委員会といたしましては、教職員の多忙化の解消や負担軽減の具現化を図ることができるよう、県教育委員会との相互の連絡を密にし、必要な調整や協力に努めてまいりたいと考えております。

 

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記事を書いた人

日高市議会議員無所属松尾 まよか
大好きなまち日高に永く住み、豊かな自然のなかで子育てをしていきたい。

私は、この日高が世界一好きです。2015年、東京都心から日高市に移住。都内では体験できなかった日常を楽しんでいます。

これまで国内外諸国に滞在してきましたが、日高ほど暮らしやすい土地はありません。都心へのアクセス、美しい里山と清流、それを大切にしていきている人たちとの温かいつながり・・・。

ここで、いつまでも心地よく安心して子育てをしていきたい、そう願っています。

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日高でかたちにしていきたいと思います。

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