*正確な発言は、日高市HP掲載の会議録を参照ください
香りによる健康被害への対策について質問します。 1.「香害」対策について、 質問(1)、化学物質過敏症、以下CSについての市の認識をお聞きします。 CSとは、いわゆる人工的な化学物質に過敏に反応し、辛い症状の出る病気です。近年、その患者数が急増し、現在全国で100万人を超え、100人に1人は患者と言われています。 発症の原因となるものは、たばこ、農薬や除草剤、建材、柔軟剤や合成洗剤、食品添加物など、身の周りにある いわゆる人工的な化学物質全般にわたります。発症のメカニズムは花粉症に似ていて、化学物質の体内への総合的な蓄積が、身体での処理量を超えたときに、ある日突然、発症する、現代では、誰にでも発症の可能性がある病気です。 平成27年に環境省がまとめた報告書では、高感受性の人、すなわち、発症手前といわれるCS予備軍は、人口の7.5%とされています。これを、日高市の人口に換算すると、約4200人にものぼります。 医師の間でもまだ正しく認識されておらず、うつ病や喘息などと誤診され、誤った治療を受けている、潜在的な患者の存在も懸念されます。 CSは一度発症すると、微量の化学物質でも、深刻な症状が出ます。たとえば、洗濯に柔軟剤を使った服を着ている人とすれ違っただけで、気分が悪くなることもあります。学校や公共施設など、人の集まる場所に行けなくなる、大変な病気です。治療法も確立していません。発症してしまう前に、予防することが大切です。そのためには、日常的に接する化学物質の量を、少しでも減らしていくことが直接的な予防策になります。 以上、高感受性の方や潜在的なCS患者への配慮、および、予防の必要性について、市の認識をお聞きかせください。 質問(2)、香害についての市の認識をお聞きします。 CS発症の原因として注目されているのが人工の香り、合成香料です。その健康被害は「香害」と呼ばれ、近年、関連書籍も多数出版され、TVや雑誌に取り上げられるなど、社会問題となっています。 近年、洗濯用柔軟剤や消臭剤などに香料を含ませたいわゆる「香り製品」が市場を急拡大させていることが要因で、消費者団体が開設した「香害110番」には、2日間で213件の訴えが寄せられました。 日本に先だって香り製品が普及した北米では、CS患者が急増し、対策として無香料宣言をする企業・学校・病院が増えています。 科学的因果関係が未だ公的に認められていないことを理由に、国では対策の動きには至ってはいません。しかし、香料による健康被害のリスクは、各種調査や研究の結果、疑う余地のないところまで来ています。イソシアネートという、毒性の極めて高い物質が使用されている製品も多いことが分かってきました。 リオ宣言でもうたわれた、疑わしきは避けるという「予防原則」の考え方に則って、この種のリスクに、国に先だって迅速に対応できることに地方自治の存在意義があると考えます。 市における香害対策の必要性についての認識をお聞かせください。 質問(3)、市が購入、使用する物品への配慮についてお聞きします。 所沢市では、市が使用する物品には、無臭のものや、PRTR法指定の有害成分を含まない製品を採用しています。 また、市内の障がい者施設では、廃油を再利用したエコ石鹸などがつくられていますので、障害者優先調達推進法の観点からも、積極的に使用すると良いと思います。 日高市での、環境や健康に配慮した物品購入の方針、具体策をお聞かせください。 質問 (4)、市の職員への周知はどのようにしていかれますでしょうか。 市職員の方々には、香害問題についてしっかりとご認識いただきたいと考えます。 前述のように、市内には4200人ものCS予備軍がいると考えられます。これらの方々も安心して市の施設を利用し、職員と接することができるよう、職員の基本行動として、個人的に使う柔軟剤やシャンプーなどにも配慮されるよう、問題の周知徹底を行うべきと考えます。 今後の方針および具体策などをお聞かせください。 質問 (5)、市民への啓発についてお聞きします。 香害の一番の課題は、香り製品のリスクやCSという病気について、知られていないことと言えます。 使用者自身が知らず知らずに健康リスクを負うのはもちろん、他人の使用により被害を受けるという点では、受動喫煙と同じです。しかし香りについては、昔はたばこもそうでしたが、嫌だと声を上げにくいのが現状です。 これだけ社会問題化している以上、市民の健康のために、市として積極的な情報発信がなされるべきです。危険性を言うだけでなく、柔軟剤を使わない効果的な洗濯方法など回避策についても、併せて伝えていくことが大切です。 今後の方針および具体策などお聞かせください。
1.「香害」対策についてお答えします。 (1)化学物質過敏症(CS)に関する認識でございますが、化学物質過敏症につきましては、1990年代の後半に「シックハウス症候群」が、大きな社会問題となりました。 今日では、シックハウス症候群に限らず、家庭用殺虫剤や防虫剤、たばこの煙や香水などの、身近にある家庭用品によっても、化学物質過敏症の症状が現れることがわかってきました。 患者は全国に100万人ともいわれておりますので、市内にも患者は潜在しているものと認識しています。したがいまして、過敏症の人への配慮や予防の必要性は、ご指摘のとおりと考えます。 一方で、この問題は、市販されている製品の使用の抑制に係ることにもなりますことから、当然に、慎重でなければならず、また、責任ある専門機関が、信頼できるデータに基づく分析のもとに取り組むべきものと認識しています。 (2)香害についての市の認識についてお答えします。昨今は、芳香や消臭といった香りに関する商品が人気ですが、一方で、本人にとって良い香りが、周辺の人には不快に感じることもあり、時に、これが体調不良を引き起こすこともあります。こうした状況を、香りの害、「こうがい」と呼び、マスコミなどでも、とりあげられるようになりました。 今までに市の消費生活相談には、香りに関する商品についての相談は、ございませんが、行政に対し、何らかの対応を求める声があることは、市といたしましても認識しているところでございます。市といたしましては、県と同様に、エチケットの問題として啓発してまいります。 (3)市が購入、使用する物品は、環境や健康に配慮されているかについてお答えいたします。 市では、用品を集中購入することにより、用品の取得に関する事務を円滑かつ効率的に行うため、用品調達基金を設置し、この基金を活用した用品の一括購入を行っております。 今後、この用品調達基金等による用品購入の際には、過敏症の方がいることに配慮し購入するよう、庁内に周知してまいります。 また、廃油を再利用したエコ石けんにつきましては、毎年障がい者の就労継続支援事業所から購入しており、障害者優先調達推進法の実績として報告しております。 (4)市職員への周知についてお答えいたします。 職員が市民の皆様に接する際、親切・丁寧かつ清潔感のある身だしなみで対応することができるよう、職員クリーン度チェックマニュアル及びドレスコードチェックマニュアルを定めております。ドレスコードチェックマニュアルのチェックリストの中に「匂いが強すぎませんか?」という項目を設けており、服装などとともに香りのエチケットについてもセルフチェックをするとともに職場内においても互いに声をかけあうようにしております。化学物質過敏症の人への配慮やその予防の必要性を踏まえ、改めて職員に周知してまいります。 (5)の市民への啓発についてお答えします。 香りの問題につきましては、一般に市販されている商品に関するものであること、また、感じ方に大きな個人差があることなどから、市といたしましては、県と同様に、まずは、エチケットの問題として啓発してまいりたいと考えます。 具体的には、埼玉県消費生活課が発行している啓発ポスター等を用い、香りに関する商品を使用する際の、周囲の人への配慮を求めてまいります。
2番.子どもへの配慮について質問します。 香害の影響を特に大きく受けるのは、子どもと言われています。 香りは脳神経系に直接作用するので、子どもの発達に大きく影響し、近年の発達障害急増の原因としても注目されています。 CSを一度発症してしまうと、集団生活が難しくなるので、特別支援学級やITでのリモート授業を開設したり、校舎をリフォームしたりしている市町村もあります。日高でもこのような事態が起こる前に、発症の予防に取り組むべきではないでしょうか。 そこで、質問(1)、妊婦や子どもの集まる施設には特に、細やかな配慮が必要です。その対策についてお聞きします。 職員やスタッフへの周知徹底、保護者へも、プリント等での周知、県政出前講座などを利用した勉強会の実施、など、丁寧な予防策の実施が期待されます。 長野県安曇野市では、教育長から「香料についてのお願い」という文書が、小中学校の保護者全員に配布されました。 日高市でも、考えられる具体的な施策をお聞かせください。
2、香りによる健康被害への対策についての御質問のうち、福祉子ども部が所管する部分にお答えいたします。 2点目、子どもへの配慮についての(1)、子どもの集まる施設に対する配慮についてでございます。保育所や幼稚園、小中学校や地域子育て支援センターなどは、特に多くの子どもに直接的に接する業務を行っていることから、職員に対し、化学物質過敏症に対する理解を高め、園児や児童の見守りなどを適切に対応できるように指導してまいります。また、これまで施設の利用者等から香りに関する相談などはございませんが、まだ認知度が高くないことなどから、周りに言いにくい状況もあるかと思います。そのため、県のポスターなども活用し、施設利用者等にも啓発を行ってまいります。そのほか、議員から御提案いただきました県政出前講座の活用や学校での保護者向けの啓発なども検討し、取り組んでまいります。