一般質問全文

一般質問全文:環境基本計画について:温暖化と海洋プラスチック<令和2年第4回定例会 9月10日>

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2024年2月に日高市市議会議員を辞職。4月の市長選挙に陸行をする予定です。これからも日高市のためにより活発に発信をして市民の皆様との対話を続けて参ります。

*正確な発言は、日高市HP掲載の会議録を参照ください

第2次日高市環境基本計画についてです。

今年度、日高市では、第二次環境基本計画が策定されます。環境基本計画は、日高市環境基本条例に基づき、環境の保全及び創造に関する施策を、総合的かつ計画的に推進するため策定されているものです。平成23年に第一次の計画が10年計画として策定され、今年で10年目。来年度から適用となる、第二次の計画を現在検討しています。日高市の環境保全の取り組みの大元となる、とても大切な計画です。

近年、環境問題は、深刻さを増し、地球温暖化や海洋プラスチック問題に至っては、私たちの世代は、生命の存続に関わるレベルにまで発展してきていることを、もはや否定できない時代になりました。環境問題は、私たち全員の暮らし方や消費の仕方によるものであり、すべての自治体が、真剣に取り組まないことには、解決しえない問題です。

日高市も、一自治体としての責任を、確実に果たしていくための、実効的な計画の策定が望まれます。市長におかれましては、この春、選挙の際のご挨拶でも、自然環境保護への意気込みを熱く語られていらっしゃいました。本計画がどのようなものになるのか、とても期待しているところです。

そこで本日は、特に重要な課題について、現時点での市の方針をお聞きします。

 

1.計画の概要について

(1)本計画の策定に向けた、現時点での検討状況をお聞きします。

答弁(市民生活部)

今年度、市、市民及び事業者が三位一体となって推進していくための指針となる第2次日高市環境基本計画の策定に取り組んでおります。

現在、事業施策の評価及び課題の抽出や市民及び事業者に対するアンケート結果の集計・解析を行っているところであり、今後、計画案の作成、市民コメント、環境審議会での審議、市議会への報告・説明を経て、年度内策定となります。

 

(2)主な課題認識とその目標値についてお聞きします。

環境省作成の令和2年版環境白書では、地球環境は危機的状態にあるとし、地球温暖化による気候変動問題、続いて海洋プラスチック問題の2点が大きく取り上げられています。

温暖化については、「「気候変動」から「気候危機」へ。」と表現し、環境危機の第一の問題としています。SDGsの目標13でも、「気候変動に具体的な対策を」として掲げられています。

年々、温室効果ガスの排出量は増加の一途をたどっています。このまま温暖化が進み、産業革命前と比較した平均気温の上昇が2℃に達すると、地球温暖化は不可逆的に進行してしまう、つまり、もはや後戻りできない悪循環に入ってしまう可能性があるとされています。

これに対し、2015年「パリ協定」では、温度上昇を1.5℃に抑える目標が掲げられました。気候変動に関する政府間パネルIPCCは、この目標を達成するためには、CO2排出量を2030年には2010年比45%削減、2050年までに正味ゼロにする必要があると報告しています。

日本では、台風や、豪雨、長雨、猛暑などの気候変動による被害が深刻化しているなか、6月には環境省も気候変動非常事態宣言を行い、パリ協定の本格運用開始に取り組んでいます。

また、海洋プラスチック問題も深刻です。2050年には海に漂うプラスチックごみの重量が、魚の重量を超えるとの試算があります。これが生態系に与える影響が甚大であることはもちろんのこと、プラスチックを食べた魚を私たちが食すことによる健康リスクも指摘されています。

高麗川でも既にマイクロプラスチック汚染は始まっています。北平沢運動場付近にて、この夏実施された調査では、捕獲された魚9匹のうち、すべての魚からマイクロプラスチックが検出されました。

昨年のG20大阪サミットでは、日本が牽引し、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染ゼロが掲げられました。

以上の状況を踏まえ、日高市も、然るべき目標を設定し、達成に向けて推進していく責任があると考えますが、市のお考えと、目標値をお伺いします。

答弁(市民生活部)

近年、異常気象の影響により、全国各地で甚大な被害が出ており、当市におきましても、影響を受けているところでございます。

自然災害の中、環境施策の一つである地球温暖化対策を講じていく上で自然環境の保全は最も重要な課題と認識しております。

引き続き、当市の自然環境を次世代へ継承していくための適切な施策が講じられるよう計画を進めてまいります。

また、海洋プラスチック問題につきましては3つ目のご質問に合わせてお答えさせていただきたいと存じますが、こちらも大変重要な問題と認識しております。

なお、具体的な目標値につきましては、現在、検証を行っているところでございますが、世界的にも、日本国内におきましても2050年までに、石炭、石油、天然ガスなどの利用により発生するCO2の排出量と森林等の吸収源によるCO2の除去量の均衡を達成する、いわゆる「CO2排出量の実質ゼロ」を目指していることから、その目標を達成するために当市ができる具体的な方法等につきまして検討してまいります。

 

2.地球温暖化対策について

(1)日高市では、2011年6月、「日高市における自然エネルギーの推進を求める請願」が採択されました。改めて、市の再生可能エネルギー推進についての考えをお聞きします。

平成31年第1回定例会での市長のご答弁にありました「適材適所」のお言葉通り、大切なのは、再生可能エネルギーの発電設備を、「適所」に導入していくことです。

一方で、ソーラーパネルの設置というと、再生可能エネルギーを増やすことと、森林を守ることを、天秤にのせて比較するような議論を耳にすることは少なくありません。

しかし、森林をこれ以上伐採せずとも、再生可能エネルギーだけで、現在の電力需要はまかなえます。これは、既に各種機関から試算が発表されています。日本の年間発電量は約1兆kWhです。これに対し、たとえば、令和元年度の環境省のゾーニング調査では、農地だけでも太陽光発電の導入ポテンシャルは、約2兆8千億kWhあると推計されています。さらに、風力発電は約4兆kWh近くのポテンシャルがあるとされています。要するに、農地への太陽光と、陸上洋上風力だけで、日本の年間発電量の6倍以上の発電ポテンシャルがあるということです。

つまり、風力や、農地でのソーラーシェアリング、そしてさらに空き地や、高萩駅前のような駐車場へのソーラーパネルの設置、河川への小水力発電など、立地を考慮した様々な発電方法を組み合わせることで、十分に、自然と調和しながら、必要量を確保できることが分かっています。

以上のことから、これ以上、生態系を壊すことをせずに、再生可能エネルギーを適所に導入していくことは、日本として進むべき方向であり、日高市として積極的に推進していくべきと考えますが、市の考えをお伺いします。

答弁(市民生活部)

昨年度、「日高市太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例」が制定され、条例設置の効果が得られ、適所における施設設置の推進が図られているところでございます。

市内における太陽光発電施設の国の認定件数は約1,270箇所あり、住宅や事業所等の屋根設置が約1,200箇所、地上設置が約70箇所となっております。

また、今年度予定の住宅用省エネルギー機器設置補助金につきましては、8月時点で約20件となっております。

引き続き、災害発生の防止や良好な環境及び景観の保全を図りながら、再生可能エネルギーを推進してまいります。

 

(2)市内の事業者との連携についてお聞きします。

温暖化対策にあたっては、どの自治体も固有の事情があります。そして、それがあるから解決困難としてしまうのではなく、解決の方法をひねり出していく努力が、持続可能な社会を実現するには欠かせません。

日高市の状況を見ると、二酸化炭素排出量は、埼玉県の調査では、2016年で多い方から県内5位となっています。この要因の一つが市内の大規模セメント工場とされています。

本工場は、日高市の可燃ごみの処理を一括して受託しており、そのゴミは99%以上がセメントにリサイクルされ、全国でも類を見ない好事例として知られています。既に長期の委託契約を締結しており、将来にわたり、工場と市と、相互に発展していくことが望まれます。

私は、こういった工場の存在を、温暖化対策と相反するものと捉えるのではなく、むしろ、日高市の強みとして、工場があるからこそできる日高ならではの温暖化対策を設計し、推進するべきと考えます。排出量取引の制度等も適用しながら、実質ゼロカーボンを目指していけるよう、工場や各種関連機関と連携して、方向性の検討を早々に始め、計画的に進めるべきと考えますが、市の考えをお聞きします。

答弁(市民生活部)

議員お示しのとおり、当市の可燃ごみの処理は、大規模工場である太平洋セメント株式会社埼玉工場で資源化処理を行っております。

また、太平洋セメント株式会社は、セメント製造に伴い温室効果ガスを発生することから、地球温暖化防止に積極的に取り組んでおり、セメント製造にかかわるCO2の排出を2025年度までに2000年度と比べ10%以上削減を掲げるとともに、2050年を展望した温室効果ガス排出削減にかかわる長期ビジョンの骨子を策定し、気候変動対応に向け長期的に取り組んでおります。

また、セメント製造時の排ガスの熱を回収して発電を行う「セメント排熱発電設備」の設置について検討を進めており、令和4年9月の稼働を予定していることなど、広くホームページで公表しております。 

市としましては、このように「地球温暖化防止」及び「気候変動対応」に積極的に取り組んでいる太平洋セメント㈱との連携を密にし、ごみ処理の安定と循環型社会の構築を推進してまいりたいと考えております。

 

3.海洋プラスチックごみ問題について

(1)プラスチックごみ削減への取組についてお聞きします。

2020年7月、レジ袋が有料化されました。この目的は、「ライフスタイルの変革を促すこと」、つまり、使い捨てプラスチックの使用を減らそうという意識づけとされています。しかし、そのための前提となる、この施策が採用された背景や、海洋プラスチック問題の深刻さについての認識が、まだ一般に浸透していないのが実態と感じています。

これを機に、レジ袋に限らず、ペットボトルや梱包資材など、一人ひとりが使い捨てプラスチックの消費を減らし、きちんとゴミに出すことへの認識が高まるよう、啓発施策が必要と考えます。市の今後の取り組みをお伺いします。

答弁(市民生活部)

プラスチック製品の発生抑制を図ることが、まず、重要であることから、現在、当市におきましては「ごみの減量と分別ガイドブック」を発行し、買い物時のマイバッグ持参、食品トレーなどの店頭回収の利用や、「リデュース・リユース・リサイクル」のいわゆる「3R」の実践を市ホームページや広報誌で啓発をしているところでございます。

また、今年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月に予定しておりました「ごみゼロの日・クリーン日高市民運動」を実施できませんでしたが、今後も、地域の環境美化とごみのポイ捨て禁止等について意識の醸成を図るとともに、海洋プラスチック問題への理解が深まるよう啓発を行ってまいります。

 

(2)海洋プラスチックのもとになる、高麗川に流出するプラスチックごみへの対策についてお聞きします。

関東地域の河川を流れるマイクロプラスチックを調査した結果、15%を超える量が人工芝の破片であるという報告があります。プラスチック製の人工芝が、経年劣化したり、人が歩くことで摩耗したりすることで生じる破片が、風に飛ばされ雨で流され、最終的には川に流れるためです。

また、高麗川で収集されるプラスチックごみの多くは、市内の清掃ボランティアの方々からお話を伺うと、農業資材や建築資材、たとえば、劣化したビニールシートや土嚢袋の破片、肥料の袋、発泡スチロールの破片といった資材の量が、いわゆるポイ捨てゴミよりも、ずっと多いとお聞きします。

人工芝にしても、資材にしても、いずれも、わざと放棄しているゴミではなく、劣化したものや、屋外に放置したものが、雨や風で流される等、知らず知らずに流出しているものです。

対策として、まずは、こういった問題があるということを広く市民の方々に知っていただき、資材をきちんと管理し、相互に注意し合うといった意識が促されるよう、啓発施策が必要と考えます。

また、流出してしまったごみの回収について、日高市でもごみゼロの日などの取組がされていますが、さらなる市民の協力を得られるよう、市が推進すべきと考えます。

高麗川流域の自治体としての責任を果たせるよう、市の対策をお聞きします。

答弁(市民生活部)

議員ご指摘のとおり、資材等が放置され、劣化したものが雨風等の影響により、川に流れ出ることが考えられます。

日々の維持管理や廃棄物を適切に処分することにより軽減が図れるものであることから、注意喚起を呼び掛けてまいります。

 

4.持続可能な社会の実現について

(1)地域循環共生圏の創造についてお聞きします。

持続可能な脱炭素社会、そして循環型社会を実現することは、これまで申し上げましたような、再生可能エネルギーの推進や、市内の工場との連携も含め、現在の社会システムそのものの見直しが必要です。コンパクトシティの推進にあたっても、自然の持つ機能を活かした都市整備、すなわちグリーンインフラに取り組む必要があると考えます。環境に優しいまちと、人が住み心地の良いまちが合わさることで、移住・定住施策にもつながると考えます。

このような取り組みは、当然ながら、行政だけでなく、企業や学校等の関係諸団体、地域住民の理解と協力が必要です。そのためには、日高市の将来像、つまり、具体的にどのように持続可能なまちにしていくのか、たとえば、エネルギーや食糧はどこでどのように産み消費していくのかなど、誰が見ても分かりやすいビジョンを描く必要があります。

2018年4月に閣議決定された、国の第五次環境基本計画では、これからの持続可能な地域社会の在り方として「地域循環共生圏」という概念が打ち出されました。これをもとに環境省では、地域でビジョンを描いていくためのノウハウや、伴走支援のプログラムも提供されています。こういった機会も活用しながら、地域の様々なステークホルダと議論し、つくりあげていく取り組みを、早々に始めるべきと考えますが、市の考えをお聞きします。

答弁(市民生活部)

環境省が示す「地域循環共生圏」とは、各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限発揮されることを目指す考え方であると認識しております。

現在、この「地域循環共生圏」の具体化に向けた取り組みが各地で始まりつつあることから、今後、専門家の意見等を交えながら検討してまいります。

 

(2)市の業務のエコ対策についてお聞きします。

以上のような、環境に対する取り組みを市内に展開していくにあたり、まずは市が率先して、市役所や公共施設等の設備や業務を、環境に配慮したものに変えていき、事例として示していくべきと考えます。たとえば、業務のペーパーレス化を伴う、働き方改革や、使用電気を再生可能エネルギーに切り替えることは、大きな効果があります。

まずは、関連施策を洗い出し、それらを日高市で実行した場合のコストと効果を試算すること。そして、それをもとに優先順位をつけて、計画的に取り組む必要があると考えますが、市の考えをお聞きします。

答弁(市民生活部)

現行の「第1次日高市環境基本計画」に位置づく「日高市地球温暖化対策実行計画」による取組として、市内の道路照明灯約4,000基について、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業を活用し、平成29年度末までにLED化を行い、年間約455トンのCO2削減が図れた例がございます。

「第2次日高市環境基本計画」におきましても現行の計画同様に、「地球温暖化対策実行計画」を作成する予定ですので、取組成果や課題等をしっかり踏まえ検証してまいりたいと考えております。

 

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記事を書いた人

日高市議会議員無所属松尾 まよか
大好きなまち日高に永く住み、豊かな自然のなかで子育てをしていきたい。

私は、この日高が世界一好きです。2015年、東京都心から日高市に移住。都内では体験できなかった日常を楽しんでいます。

これまで国内外諸国に滞在してきましたが、日高ほど暮らしやすい土地はありません。都心へのアクセス、美しい里山と清流、それを大切にしていきている人たちとの温かいつながり・・・。

ここで、いつまでも心地よく安心して子育てをしていきたい、そう願っています。

本当の「豊かさ」とは何か?

日高でかたちにしていきたいと思います。

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