一般質問全文

一般質問全文~「市民が主役のまちづくり」市民参加の推進について~令和4年9月議会

市民参加というテーマにおいて、地方分権、住民ニーズの多様化、そして財政のひっ迫、といった社会的背景により、協働の必要性が言われるようになって久しくなりました。

これまでの行政主導のまちづくりから、市民の意思と活力を起点とする市民主体のまちづくりへと変えていく必要性は、もはや私から申し上げる必要もないほどに、一般論として定着してきているように思います。

一方で、従来の行政運営を変えていくには、職員の意識、そして同時に市民の意識が変わっていく必要があり、現状ここにはまだまだ超えるべきハードルがあるように感じています。

これを越えていくには、日高市としての理念を定め、また、象徴的な事業を行っていくことで、職員にも、市民にも、その必要性や良さを体験できる機会を重ねていく必要があると思います。

豊かで持続可能なこれからの地域社会をつくっていくために、日高市において、いかにして今後よりいっそう、市民主体のまちづくりを進めていくのかお伺いします。

1.市民参加の推進について

(1)日高市が目指す市民参加のあり方について

まず、そもそも日高市が目指している市民参加のあり方を伺います。

市民参加の成熟度を評価する古典的なものさしとしては、アーンスタインによる「住民参加のはしご」が有名です。行政主導のものに市民が形式的に参加するという段階、その上の、行政と市民が対等にパートナーシップを組み協働する段階、さらにその上には、市民が主体であり行政は支援をするという段階、などが定義されています。

他の自治体では、市民参加、市民参画、協働、といった言葉の定義を、独自に整理している事例も見られます。

日高市では、「市民参加」という表現において、現在、このはしごで言うと、どの段階を目指しているのでしょうか。

答弁(総務部)

平成21年4月に施行された市民参加条例に基づいて進めております。本条例は、「市民参加と協働のまちづくり市民会議」の市民メンバーによる約2年にわたる検討を経て、市へ提出された「市民参加のルールに関する提言書」に基づいて策定された経緯がございます。提言書の中では「市民と行政との協働」が地方自治にとって欠かせないテーマとなっていることや、本条例が市民が主体となって討議し作成したことが明記されております。

また、条例の前文においては、市民は、まちづくりの主役として積極的に市政に参加し、市民の意向が市政に反映できるようにすることが大切であること。市民と市が市政についての情報を共有し、それぞれの立場を理解し、互いに補完し合う協働のまちづくりを進めることが必要であることがうたわれております。

行政と住民が共に考え、共に行動する「協働」のまちづくりを推進することを目標としている本条例の主旨が市民参加のあり方そのものであり、このことは現在も変わらないものであると認識しており、第6次日高市総合計画において、基本方針7「信頼される行政運営を推進するまちをつくる」の施策24市民参加・情報共有に位置づけているところでございます。

 

(2)市民参加条例の見直しや新たな条例制定の必要性について

現状、日高市において、市民参加における最上位の条例は「日高市市民参加条例」となっています。

この条例を見ると、目的の項には、「市民の意見を行政に反映させる」こと、と書かれています。つまり、行政が主として行う事業に対し、市民の意見を反映するという関係性になっています。

本条例が制定された平成20年という時代を鑑みると、この条例ができたこと自体が大きな進展だったことと推察いたします。そして、それから15年たった今、時代に合わせた見直しも、そろそろ必要ではないでしょうか。

また、本条例をあくまで、市民が意見するための手続きを定めるものとしていくのであれば、その上位の条例として、例えば「自治基本条例」「住民自治条例」といった、市民主体のまちづくりに取り組むための根拠となる条例が必要かと思います。市のお考えを伺います。

答弁(総務部)

市民参加条例が制定されてから現在まで、市の各種計画の策定や事業の実施において、市民コメントをはじめとする市民参加手続きを行うことで、市民皆様の貴重なご意見を市政に反映しているものと考えております。

 また、現在の市民参加条例につきましては、先程申し上げました主旨に基づき、日高市市民参加推進会議のご意見等を踏まえて推進しているため、現在のところ見直し等の予定はございません。

 

(1)に対するご答弁では、日高市の目指す市民参加について、「市民はまちづくりの主役」であり、「行政と住民が共に考え、共に行動する協働のまちづくりを推進する」という現状の市民参加条例の主旨が、日高市で言う市民参加のあり方そのものであるとのことでした。

「はしご」の例でいうと、行政と市民が対等にパートナーシップを組み協働する段階、ということだと理解いたしましたけれども、ではその観点に立ったときに、現行の市民参加条例は適切な内容になっているのでしょうか。

例えば、市民参加推進会議は、「市長の諮問に応じ、調査審議する」とされており、委員には議案を発議する権限がありません。つまり、仮に、市長が推進会議の対象として選ばなかった事業があり、それに対してこれは重要な事案であるから市民参加をすべきと委員が思うことがあったとしても、委員はそれを指摘できない、という状況です。

また、本条例の見直しも、「市長が行うもの」とされています。

これで、市民が行政と対等の立場と言えるのでしょうか。

本条例の制定当初の市内の成熟度では、まだ仕方がなかった側面もあったかとも思います。けれども、15年経った今、市内の状況の変化や、社会の要請も踏まえ、見直しを検討しても良い時期にきているのではないでしょうか。

答弁(総務部)

市民参加推進会議につきましては、市民参加条例第16条第1項に推進会議の設置について示されており、その中で地方自治法第138条の4第3項による市の執行機関の付属機関という位置づけになります。また、同条例第2項に推進会議は、市長の諮問に応じ、調査審議するものとされております。このことから推進会議の委員からの議案提出は想定しておりません。

 

日高市の市民参加推進会議は、市の付属機関、つまり、他の審議会等と同様の位置づけになるために、自治法上、市民が発議できるように条例を変えることは難しいというご答弁でした。

こちらは、専門家に伺っても、自治法の解釈の問題ということですので、社会が変化している中、今後、引き続き議論していかれるべき論点だと思います。

(3)協働推進のための施策について

「市民が主役のまちづくり」を進めていくためには、まちづくりに意欲のある市民が行政に対して提案し、市民主体の事業として行政と協働できる仕組みがあると良いと思います。

狭山市、入間市では、市民が事業を提案し、市が情報発信や、人的、金銭的支援等を行い協働する制度があります。また、川越市や鶴ヶ島市、坂戸市でも、上限20万円で補助金を出すといった市民提案制度があります。

今後、日高市で検討しうる施策として、どのようなものがありますでしょうか。

答弁(総務部)

当市における協働推進のための施策といたしましては、市民活動やボランティア活動を行う団体に対し、市社会福祉協議会を通じて補助金の支出を行っており、登録団体数が増加しております。また、コロナ禍で活動が縮小しておりますが、市社会福祉協議会にあるボランティアセンターの機能充実のためのインターネットを利用したボランティアネット事業へも補助金を支出し、ボランティア活動の振興に取り組んでおります。

他の自治体におきましては、議員ご指摘のように、市民活動団体等が提案した事業に対し、市が必要な情報提供や情報発信、人的支援、経費等の支援を行う事業等を実施しているところは承知しているところでございます。市民参加の施策につきましては、市民と市との協働によるまちづくりの推進ということを踏まえ、関係部署と連携の上、研究してまいりたいと考えております。

(4)市民参加手続きの判断基準について

日高市市民参加条例に基づく市民参加推進会議は、市の行う各種事案に対して、市民参加手続きが十分であるかを審議する役割を担っていますが、一般の委員がその十分性を判断するのは難しさもあると思います。どのように判断されているのでしょうか。

答弁(総務部)

市の機関が意見を求める市民参加手続の判断基準に関わる事項につきましては、市民参加条例の第2章に規定されており、市民参加手続の対象や、市民コメント・審議会をはじめとする市民参加手続の方法、公表等について明記されております。市民参加手続の取扱いに差異が生じることがないよう、市民参加推進会議の委員の皆様から様々なご意見等をいただくとともに、市民参加条例の解説書である手引きをホームページ上で公開しております。

この手引きには、具体的な例示などを掲載するなど、市民参加手続きの判断材料としていただいております。

 

市民参加推進会議において、委員が適切な市民参加手続きを判断するための論理的な目安をつくろうという趣旨で、ガイドラインを何年にもわたり検討されてきた背景があります。

議事録を見ると、それがいったん完成した段階で、令和元年に事務局が引き取り、その後、使われていないようですけれども、現在どのようになっているのでしょうか。

答弁(総務部)

ガイドラインにつきましては、検討を重ねているところでございますが、活用にあたっての課題が解決に至っていない状況でございます。

今後につきましても推進会議の中で審議を重ねてまいりたいと考えております。

 

一般質問まとめ:1-2.公共施設の使用料等の減免基準の見直しについて~令和3年12月議会

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記事を書いた人

日高市議会議員無所属松尾 まよか
大好きなまち日高に永く住み、豊かな自然のなかで子育てをしていきたい。

私は、この日高が世界一好きです。2015年、東京都心から日高市に移住。都内では体験できなかった日常を楽しんでいます。

これまで国内外諸国に滞在してきましたが、日高ほど暮らしやすい土地はありません。都心へのアクセス、美しい里山と清流、それを大切にしていきている人たちとの温かいつながり・・・。

ここで、いつまでも心地よく安心して子育てをしていきたい、そう願っています。

本当の「豊かさ」とは何か?

日高でかたちにしていきたいと思います。

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