*正確な発言は、日高市HP掲載の会議録を参照ください
日高市への移住・定住の促進についてです。
少子高齢化と人口減少が進むなか、私たちの生活インフラや教育、福祉サービスを将来にわたり維持し、改善していくためには、なんといっても財源、そしてサービスの担い手が必要です。
多くの地方都市が同様の問題を抱えるなかで、特色ある、住みよい魅力的なまちづくりを通じて、移住者、転入者を増やし、また定住促進すなわち転出者を減らすことに挑戦し、成果を出している自治体が出てきています。
人口対策は効果が出るまでに時間のかかるものであり、日高市も早々に力を入れていくべきと考えます。
このテーマについては、一昨年9月にも一般質問させていただきました。それから、日高市行政の最上位計画である第6次総合計画が策定され、その実行計画では、令和3年度の4つの重点施策の一つに、移住定住が位置付けられています。
コロナの影響もあり、都心から郊外への移住ニーズが高まるなか、その後の検討状況と今後の展望をお伺いします。
1.目標及び現状の課題について
(1)目標は。
目標とする数値を伺います。
前回のご答弁で、移住対策のKGI、すなわち中期の数値目標と、時系列で定める、とのご答弁でした。検討の結果は、第6次総合計画の基本目標2に定められたものと理解していますが、令和7年度の目標として、人口の社会増、すなわち、転入者が転出者を上回る数が150人になることを目標として、そのために、20代~30代までの若者の転出者の割合を10%に抑える、年間の転入者の数を令和元年度から121人増やし2,040人にする、とされています。
これらは、どのような考えで導出された目標値でしょうか。具体的な算出方法をお伺いします。
今年度を始期とする第6次日高市総合計画前期基本計画においては、日高市まち・ひと・しごと創生総合戦略を一体化し、地方創生と人口減少対策に資する施策をリーディングプロジェクトとして位置づけ、重点的に取り組むことにより、転入者が転出者を上回る社会増の人数を、令和7年度に150人とすることを目標としております。
本市の人口の社会増減は、令和2年度には、転出超過となりましたが、平成29年度から令和元年度までは若干の転入超過の傾向が続いております。リーディングプロジェクトに掲げている、若者の活躍支援、移住・定住の促進などの各施策を展開することにより、転入者数を毎年度1%ずつ増加させること、さらに、20代から30代の転出者の割合を令和7年度までに約1.6%下げることにより目標達成を目指していくものです。
(2)現状とその課題は。
埼玉県の統計資料である「統計からみた埼玉県 市町村のすがた2020 」によると、人口の社会増減率は、日高市は埼玉県内の40市のうち下から4位、そして近隣市であるダイアおよびレインボー各市の中では最下位となっています。
一方、飯能市は平成27年より連続社会増を達成しています。
人口や経済基盤も異なるなかで、単純な比較ができるものとはもちろん思いませんが、日高市の立地特性による住宅ニーズの将来予測を鑑みると、改善の可能性は十分あると考えます。
実行計画の策定にあたっては、この現状をどう捉え、どのように課題を設定をされているのか、お伺いします。
若い世代において、多くの方が進学や就職などライフステージの変化に伴い転出する傾向があります。
この世代の転出抑制やUターンを含めた転入促進を図るため、暮らしやすさと多様な働き方のできる環境を整備する必要があると認識しております。
ご答弁では、進学や就職などライフステージの変化による転出の抑制とUターンを含めた転入促進を図るとのことでしたが、ここについて認識を確認したいと思います。
20歳前後の若い世代が、進学や就職のために日高を出て視野を広げていくことは、これ自体はこれからの時代の流れを考えると、むしろ必要なこと、応援したいこととも言えると思っています。また、30歳前後の転出は、特に女性が多くなっておりますけれども、これは結婚が大きな要因として予想されます。そしてこれも抑制することではないかと思います。
従って、ライフステージの変化による転出抑制を課題として対策をするのは、いったい誰のための施策なのかなということになってしまいかねませんので、
日高市としては、出身地に関わらず、JターンやIターンも含め30代以上の子育て世代を、いわゆる「人材還流」させていくことが重要ではないでしょうか。
そのために、彼らに選ばれるまちづくりをしていくことが主であり、その結果として転出抑制にもつながるのが良いと考えますがいかがでしょうか。
市の人口統計データから読み取れる傾向として、20代から30代の転出が多くなっており、これを抑制したいと述べたものでございます。
社会増減の数値から推察すると当然のことながら、議員ご指摘のとおり、30代を含めた子育て世帯に本市を住む場所として選んでいただくことが重要であると認識しており、その年代をターゲットとしてUターン、Jターン等についても見据え、両面から今後の施策を検討してまいります。
(3)ターゲットの設定と実情の把握は。
一昨年の質問では、ターゲット、つまり積極的に日高に呼びこみたい層は一体どういう人たちなのかといった議論は、計画策定のなかで具体化するとのご答弁でした。その後の検討状況をお聞します。
今年度の事業にあたっては、どのようにターゲットを設定しているのでしょうか。そして彼らのニーズや日高市に感じていることなどの実情把握は、どのようにされていますでしょうか。お伺いします。
ターゲットは、都内在住の子育て世帯としております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、東京都の人口は、令和2年7月から転出超過が続いており、転出超過数とほぼ同数の転入超過が隣接県において続いています。
また、昨年末に内閣府が実施した「第2回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」の結果によりますと、東京23区在住の20歳代では半数弱の方が地方移住への関心を示しており、その中でも自然豊かな環境に魅力を感じている方が多いという結果となっております。
これらのことから、本市の強みである「豊かな自然環境」、「都心からのアクセスに比較的恵まれている」ことを活かすことが重要であると考えております。
都内在住の子育て世代をターゲットとするとのご答弁でしたが、これは、都心一極集中を地方に分散させたいという政府の方針や、今のコロナ禍での社会状況を鑑みても、多くの地方都市の定石です。そして、若者が自然豊かな環境に魅力を感じているという田園回帰志向を言われていましたが、これも近年では議論の前提となっている情報です。
ここまでだと、自然があって、都心から適度にアクセスしやすい首都圏の市町すべてで同じことが言えてしまうので、これからは日高市ならではの掘り下げが必要だと思います。
まずは、日高市が選ばれる理由を定めて、ターゲット設定をする必要があると思います。
首都圏の人気の自治体を見ると、たとえば、ワーキングマザーの子育てといえば流山市、アートとシュタイナー教育といえば藤野、自然栽培といえば小川町、というふうに、ユニークな強みを設定すれば、それを求める層がどんな志向を持っているかを想定して、それを総合的な施策に反映していくことができます。
飯能市は北欧をうたってまだ日が浅いですけれども、北欧は教育や幸福度、環境保全といった観点で世界的に注目が集まっている地域ですので、ここに目をつけたのは非常に面白いと思いますし、これからの広がりが楽しみなところです。
そういったブランディングの意味において日高市は、当面、「大人の遠足」を軸にしていく考えでしょうか。それとも、同時に別の強みもつくっていきたいとお考えでしょうか。
第6次日高市総合計画では、その将来都市像を「誰もが安心して住み続けられるふれあい清流文化都市」としております。近年、頻度を増している長雨などによる降雨被害や大規模地震など、人命に関わるような被害が少なく、清流高麗川に代表される豊かな自然をPRすべく設定したものでございます。
そして、毎年、都市部からたくさんの小学校の児童が遠足コースとして日高市を選んで訪れてくれていることから「遠足の聖地」として宣言したものでございます。
今後も引き続き、これらの強みをPRするとともに更なる魅力アップに努めてまいりたいと考えております。
さらなる魅力アップとのことですが、何を魅力としていくかを考えるにあたっても、まずは現状、どの世代が、どういった理由で日高に転入・転出しているのか、また転入者のニーズや抱えている不安について、しっかり把握していく必要があると思います。
転入転出手続きの際に、アンケートをとるのはいかがでしょうか。窓口での待ち時間に記入してもらうのであれば、コストをかけずに、それなりの内容をしっかり聞けるかと思います。
また、設問を工夫すれば、今後、移住者としてまちづくりに協力してもらう足掛かりにもできるかと思います。いかがでしょうか。
これまで第6次日高市総合計画に反映させることを目的とした「まちづくり市民アンケート調査」の実施や転入・転出に係るアンケート調査を郵送や窓口において行っております。
今後も必要に応じてアンケート等を実施することを検討してまいります。
転入・転出に係るアンケート調査を過去にされたとのことですが、ではそこからは主に、何が分かって、いまの施策につながっているのでしょうか。
転入転出のきっかけについては、仕事の都合や住宅の都合が多くなっており、住所地を決定する際には、通勤時間や住宅の広さ等の条件、家賃や住宅の価格、買い物の利便性が重視されておりました。
また、転入転出者が感じる本市の良いところは圧倒的に、自然環境であり、その魅力を活用して施策を展開しているところでございます。
今後もぜひ継続的に、より詳細にとっていかれると良いと思います。
あとは、転入したその後の意識調査も、継続的に行えると理想かと思います。
転入何年目で、いま何を感じているか、仕事はどうしているのかといったことを聞くような、市民とのコミュニケーションの機会を増やしてはいかがでしょうか。
DXも推進していく流れのなかで、LINE等、ターゲット世代に広く馴染みのあるツールをつかえば、さほどコストもかからず、回答も得やすいのではないでしょうか。
先ほど、「多様な働き方」の実現についても、具体的なアイディアはこれからとのご答弁もありましたけれども、これから痒い所に手が届くような施策を検討するためにも有効だと考えます。いかがでしょうか。
意識調査の手法につきましては、議員ご提案の方法も含め今後研究してまいります。
2.施策について
(1)目標達成の方策は。
一昨年の一般質問では、目標達成に向け、順序だてて施策を展開し、達成までの過程を示すことを検討されるとのご答弁でした。これについて現在の検討状況をお伺いします。
地方創生と人口減少対策に資するリーディングプロジェクトに掲げる施策ごとに数値目標である重要業績評価指標を設定し、進捗状況を検証してまいります。
また、移住定住促進事業において、緑や清流などの豊かな自然環境や都心からのアクセスに比較的恵まれていることなど本市の魅力を最大限活用し、自然環境の中で比較的広い住宅が確保しやすいこと、様々なライフスタイルを心豊かに実現できるといった点をPRしてまいります。
目標達成のための施策について、リーディングプロジェクトの重要業績評価指標の進捗を検証していくというご答弁でしたが、その指標の達成にあたっては、うつべき施策の順序、優先順位があるのではという趣旨の質問です。
では、直近注力していく施策は何になるのでしょうか。
移住定住促進事業においては、答弁させていただきました方法により、本市の魅力を最大限PRすることで、関心を持っていただいた方が、本市での暮らしについて相談できる「オンライン移住相談会」の開催等の受付体制の整備を進めてまいります。
まず本市の魅力のPRに注力されるということですが、そこで、先のご答弁では、その魅力とは「自然環境の中で比較的広い住宅が確保しやすい」という点をPRするとのことでした。これをPRしていくにあたりお聞きします。
市内の複数の不動産業者から寄せられる情報によりますと、コロナの影響を受けて、問い合わせ件数は昨年頃より、例年の1.5倍程度に伸びていると聞きます。しかしながら、紹介できる物件が見つからず、物件待ちの顧客が増えている傾向にあるとのことです。
市の魅力PRに力を入れることはもちろん賛成ですけれども、その結果さらに問い合わせが増えても、受け皿がないという傾向にもしあるのだとすれば、空き家対策を含め、物件の流動化に向けた対策が急がれるということになります。
この点についてはどうお考えでしょうか。
「比較的広い住宅が確保しやすい」とは、都市部に比べ土地の価格が安価であり、広い敷地、広い住宅が確保しやすいということでございます。
市では、移住を希望する方から、求める物件が見つからないといった声があるといった情報は確認しておりませんが、今後、住宅施策を検討するうえでの参考とさせていただきます。
PRするにあたっては、さらに訴求力のあるコンテンツが必要だと考えます。
都心の移住検討者を対象にした各種アンケート調査を見ると、子育て世代が移住先を検討するにあたっては、自然環境を活かした幼児教育や学校教育を重視して選ぶ傾向が強いという結果をよく目にします。
実際、日高市内でも、既にある未就学児向けの野外教育活動や、学校教育環境を理由に移住している世帯は少なくありません。
今後、これを日高の強みとして、自然教育の機会をよりいっそう整備していく考えはありますでしょうか。
議員ご指摘のとおり、自然環境を活かした教育は意義があると認識しております。
市内の小中学校では、自然環境を活かした、川や植物についての学習、河川清掃といった体験型の学習が取り入れられております。
また、市の事業においては、社会教育的な観点から、川ガキ・山ガキ自然塾やひ・まわり探検隊のメニューの一つである自然観察会等の開催により、子どもたちが豊かな自然に触れながら環境について学ぶ機会を創出しております。
今後も次世代を担う子どもたちを対象とした環境教育の充実に努めてまいります。
(2)移住・定住の促進に向けた情報発信は。
今年度から始まっている前期基本計画実施計画では、移住定住促進事業として「魅力を活用した情報発信」を行っていくとあります。これは、ターゲットのどういった行動を促すために、どのような媒体を通じて、何を伝えていくのでしょうか。今年度の予定をお伺いします。
先ほど申し上げました、豊かな自然環境等の本市の魅力を多くの方に知っていただくためのパンフレットを作成し、市外の方が訪れるイベント等の機会や東京都にある移住を検討している方の相談場所である、「ふるさと回帰支援センター」等で配布をしてまいります。
また、電車内モニターにおける動画広告の掲載や市ホームページの「ひだか暮らし」のページを移住定住に特化したページ構成といたします。
具体的には、イラストマップを追加するなど本市で生活するイメージがわくようなページの構成に変更することにより、都内在住で自然環境に恵まれた地域で子育てをしたい世代にPRしてまいります。
「自然環境に恵まれた地域で子育て」する魅力を発信していくとのご答弁でしたけれども、日高市内でも、地域によってその魅力は毛色が異なってくると思います。
今は、日和田山や巾着田、高麗川のイメージが強調されている印象ですけれども、高萩、高麗川の方にもまた違った魅力があります。
そういった、地域による魅力の違いも発信していかれますでしょうか。
それぞれの地域における特色も踏まえ、本市全体の魅力としてPRしてまいります。
3.施策の進め方について
(1)民間との協働は。
ターゲットに響く施策や情報発信を行うためには、ターゲットに近い感性を持ち、また、彼らとのつながりを多く持つ、市内の移住者との協働は欠かせないかと思います。
今後、どのようにして、彼らのアイディアや感性、活力を施策にとりいれていかれるのか、お伺いします。
現時点では、民間との協働にて事業を実施する具体的な予定はありませんが、民間企業就労経験者を含む本市の若手職員で構成するプロジェクトチームを設置し、組織にとらわれない柔軟な発想を取り入れながら進めてまいります。
また、パンフレット作成にあたり、本市に移住された方の声を聴く予定でおります。今後は、民間との協働で移住施策を行っている他市の事例等の情報を収集するなど、本市にあった取組を研究してまいります。
役所内で若手プロジェクトチームを組んで取り組むとのご答弁でした。それ自体は、とても良いことだと思います。
成功事例といわれる移住促進ホームページなんかを見ますと、良い意味で少しくだけた表現であったり、魅力的な写真使いなどが、若者層から好感を呼んでいる印象です。
ただ、そこに移住者の視点がどれだけ入るのかは、やはり重要だと思います。
せっかく市がお金や時間をかけて、情報発信媒体を作ったものの、市内の移住者が、それをあまり魅力的に思わず距離を感じている、というようなことになってしまってはあまりにももったいないです。
そうではなくて、市内の移住者も、見て嬉しくなって、日高はいいところでしょって見せたくなるようなものになると、いい効果が出てくると思っています。
実際、移住促進に成功しているまちは、移住者が移住者を呼ぶ流れができています。
日高市内には、移住を検討している方々にとって、魅力的な活動や団体が多くありますし、彼らのアイディアや活力を活用しない手はないのではないでしょうか。
若手職員チームだからこそ、積極的にそういった市内の取組みを把握しながら、連携していけるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
移住定住の促進につきましては、民間との協働が重要であると認識しており、移住された方のアイディアや活力の活用すること等の取組につきましては今後、検討してまいります。
(2)効果測定は。
移住施策は、やってみないことには、何がうまくいくのか、いかないのかが、予め組み立てにくい部分も多く、最初から大成功することはなかなか難しいと思います。
今年度、初めての試みに色々と挑戦されるにあたっては、アジャイル型の進め方、つまりトライ&エラーを重ねながら施策をつくっていく進め方ができると良いと思います。
そのためには、効果を検証し、修正をかけていくための、具体的な評価指標が必要です。
今年度の指標をお聞きします。
作成するパンフレットには市ホームページ「ひだか暮らし」ページ内のそれぞれの記事にアクセスするQRコードを掲載する予定であり、多くの方に市ホームページを閲覧していただきたいと考えています。事業の効果については、「ひだか暮らし」ページの閲覧数を注視してまいります。
パンフレットの効果は、パフレットを見て、WEBのひだか暮らしページに飛んだ数で測るとのことでした。あとは、電車の動画広告と、ひだか暮らしページ自体の効果も、指標を設定していかれますでしょうか。
電車内モニターにおける動画広告につきましては、関心を持っていただいた方にインターネットで検索してもらうための手法について工夫してまいります。
市ホームページの構成変更とあわせてページの閲覧数により効果を確認してまいります。
ひだか暮らしページの成果指標の一つには、先ほどご答弁にあった「オンライン移住相談窓口」への問い合わせ数こそ、設定されるべきかと思いますけれどもいかがでしょうか。
オンライン移住相談の件数につきましても、集計し効果を確認してまいります。
以上です。