議会中継
日高市議会HPより動画をご覧いただけます。
一般質問全文
*正確な発言は、日高市議会HP掲載の会議録を参照ください
行政のデジタル化についてです。
本年9月、総務省が、自治体のデジタル化を推進するための来年度予算を5倍に増額する方針を固め、新聞紙上を賑わせています。
国の多額の資金的支援が期待されるなか、日高市も準備を進められているものと思います。
デジタル化は、単なる業務のIcT化とは異なります。「住民本位の行政、地域、社会を実現するプロセス」と言われているように、日高市がよりいっそう住み続けたいまちになるために、どのような行政サービスであるべきかを描き、デジタル技術を活用し、実現していくというものです。
また、やはり財政がひっ迫している中、業務プロセス改革による業務量削減は、もはや地方自治体の死活問題ともいえるのではないでしょうか。
しかし、この手の活動は、ややもすると、IcT化そのものが目的になってしまいがちです。そうなると、多額の予算と労力をかけ、システムを置き換えたものの、あまり大きな成果は得られなかった、という失敗に陥ることが懸念されます。
デジタル化推進にあたっては、住民サービスの向上や、所内の業務効率化、職員の創造性の向上といった観点で、具体的な目標を設定し、組織、業務、システムの改革を統合して進めていくことになります。既存の仕事の進め方や組織体制に囚われずに、新しい日高市行政の在り方を構想し、それに向けて改革を推進していくプロジェクトです。
そのためには、ある程度トップダウン的な進め方も必要となります。先進自治体では、市長直下に担当部署を設置する、またはそれ相応の権限を担当部署に置いている例が多くあります。また、各課から若い職員を抜擢し、全庁に横ぐしを通すチーム体制をとっているところもあります。いずれにせよ、トップがデジタル化に取り組む強い意思を持ち、体制に反映されることが必要です。
また、改革をけん引する人材には、最新のデジタル技術だけでなく、組織や業務の改革を推進するマネジメント能力が求められます。庁内に適任の方がいれば理想的ですが、そのような人材を正職員雇用するのは一般的には困難です。かといって、ITベンダーに任せきりにするのでは、デジタル化の実現はやはり難しいと思われます。デジタル化を成功させることによるメリットやコスト削減効果を考えれば、他の先進自治体にも見られるように、惜しまず優秀な人材を外部から抜擢してもよいのではないでしょうか。
以上、デジタル化の成功のカギは、組織体制と人材であり、早々の準備が必要と考え2点、質問いたします。
1.組織体制について
デジタル化の推進体制はどのようにお考えでしょうか。
市では総合的かつ計画的な情報化を図るため、情報化推進委員会を組織し、デジタル化を組織的に推進しております。
情報化推進委員会は副市長を最高情報統括責任者とし、各部の部長級職員が委員となることで、各部署を横串で刺した組織となっております。また、課所等には情報化の推進を担う、情報化推進担当者を設置しております。
国が提唱している自治体のデジタルトランスフォーメーション、いわゆる自治体DXは、主に、行政手続きのオンライン化、AI、RPAの活用、自治体情報システム標準化などがございますが、行政手続きのオンライン化につきましては、第5次日高市総合計画において、施策の内容の一つとして掲げており、住民サービスの利便性向上を図ることはもとより、従来、紙で受け付けていた申請をデジタル化することによる業務の効率化も同時に進める体制としているところです。
また、RPAの活用につきましては、昨年度と今年度、それぞれ異なるソフトウェアを用いて試行導入を行った結果、軽自動車税賦課事務や児童手当受給者加入年金確認事務などの一部の事務において有効性が認められたので、令和3年度からの導入を図るべく準備を進めているところでございます。
なお、今後進めていく自治体情報システム標準化につきましては、ただシステムを入れ替えただけとならぬよう、業務プロセスの見直しや関連業務も含めたシステム最適化を図り、手続の簡素化、迅速化、行政の効率化等を進めることが重要となります。
情報化推進委員会を最大限に活用しつつ、今後、国が策定予定の「(仮称)自治体DX推進計画」や県の動向を注視し、行政のデジタル化に取り組んでいく方針でございます。
2.人材について
デジタル化をけん引する旗振り人材の確保はどのようにお考えでしょうか。
情報システムに係る業務を事業者に委託するにあたり、業務担当課だけでは不足しがちなICTリテラシーを補うため、今年度当初から電算業務委託支援委員会を発足し、委託契約の内容精査について、電算業務経験者等で構成された委員が支援する体制を整えたところでございます。
また、日高市情報セキュリティーポリシーで外部専門家による支援について定めており、全庁に対するICTガバナンスの強化や、民間企業、国・地方公共団体の動向を踏まえたICTに関する専門的視点に立った助言及び技術支援をICTベンダーから受けられる体制を整えているところでございます。
しかし、自治体DXなど、今後ますます増加するであろうデジタル化に対応していくためには、リーダーシップを発揮していけるICT人材をさらに充実させていく必要がありますので、人材の確保、育成に努めてまいりたいと考えております。