コロナ関連の補正予算について
今回の議会は、コロナ禍への対応のための補正予算に関する議案が多くありました。
急な対応のため議会を通さず市長権限で組まれていた予算(専決処分)(→詳細は過去記事:【要チェック!!】コロナ禍緊急支援!10万円の「特別定額給付金」ほか多額の補正予算がつきました)について承認する議案と、さらに、約2億3千万円程度の追加の補正予算が審議されました。
追加補正も使途は多岐にわたり、小規模事業者への給付金や、休校に伴う学校給食のキャンセル料、生活困窮者への家賃補助、シングルペアレント家庭への給付金、小中学校へのスタッフ配備、体温計や消毒液などの購入、といった内容でした。
特別職(市長・副市長・教育長)の給与減額
減額補正には、特別職(市長、副市長、教育長)の給与減額がありました。
「新型コロナウィルス感染症拡大による市民生活や市内経済への影響を鑑み」、3か月間、市長は30%給与を減額するというものです。
コロナ禍を受けて、首長の給与を減額するという動きは、今議会で全国的に起こっている動きです。
埼玉県内でも、同様の判断をする自治体が続々と出てきています。
こちら、採決では賛成しましたが、けっこう悩みました。
使途を定めず減額するのはただのパフォーマンスではないか、また、今後災害のたびに同様の判断を迫られる流れが出来てしまうリスクがある、といった指摘もなされています。
これらの指摘もよく分かります。
市長のコロナ対応に大きな不備があったとは思いませんし、通常より心身にも負荷が高まっているであろうことを推察すると、あえて下げる必要はないと感じます。
このように、市長の提出議案について賛否で悩む場合、指針としているのは、「自分が市長だったらどうするか。」という視点です。
もちろん、私の立場から、市長の置かれている状況や判断の根拠などもちろん分かりえないですし、反対する議員がいることに意味があるという考え方で反対している議員がいることも理解します。
しかし、市の提案に対して賛否を表明するからには、出来る限りの想像力を働かせて、仮に自分が決定権のある立場だったらどうするか、と考えるのが、私としてはしっくりくるので、そうするようにしています。
そこでいくと、本件については、今回に限っては、日高の今回のコロナへの対応方針からすると、他自治体の動きに合わせて減額するのが妥当な判断と考え、賛成しました。
本件、賛成多数で可決されました。
議員提出議案について
今回、議員提出の議案が2つありました。
1.議員の給与減額
1つは、議員の給与の減額(3か月、10%)です。
これは、私からも保守系議員に提案した内容です。
正直、日高市議会の議員給与は県内他市と比較してかなり低く、今後、子育て世代の専業議員(議員の仕事のほかに副業を持っていない議員)をたくさん出していきたいという私の立場からすると、やりたくないというのが本音です。
しかも今議会は、一般質問こそ中止になりましたが、コロナを受けての対策等、これまでで一番、時間とエネルギーを費やした議会でもありました。
しかしながら、市長の減額の意向を知ったとき、ここは議員も同様の姿勢を示すところだと考えました。
賛成多数で可決されました。
2.国・県にコロナ対策の充実を求める意見書
二つめの議案は、国および県に、新型コロナウィルス感染症対策の充実を求める意見書でした。
こちらは、私は退席しました。
意見書の内容は、コロナ対策の充実を国・県に求めるものです。
コロナ禍で苦しむ方が多くいる中、心情としては、賛成したい気持ちもありました。
しかし、その内容は、具体性に乏しく、実効性のある意見書とは思えませんでした。
一部、賛同しかねる事項もありました。
従って、反対すべきかとも考えました。
正直なところ、反対すべきか退席すべきか、採決の瞬間まで悩んでいました。
最終的に退席としたのは、この議案が提出された過程を振り返ると、これまでも筆舌を尽くしてきた事象(→詳細は過去記事:一年を振り返って)の延長に過ぎないものだったからです。
起きたことをシンプルに書くと、事前の協議がほとんど行われないまま突如議案として提出され、当然のように賛同は得られず、否決されました。
完成度として不十分と見なされてしまったこの意見書も、もし、事前の議員達への相談など然るべきプロセスを経ていれば、各議員の意見を反映し、日高市議会として提出するに相応しい意見書になった可能性があったはずです。
しかし非常に残念なことに、上記のリンクに書いたような構造が、本議案の提出過程での表出したがために、不十分な内容のまま議案となって出てしまいました。
私としては、この議案は、意見書の内容そのものを問う以前の問題として、然るべき事前協議を経なかったという経緯にこそ疑義を示したく、退席としました。
最後に
議案のほかに、今回議会では、議会としてのコロナ対策について何度も議論を重ね、それをきっかけに、台風等の災害時においても議会機能を継続させるための計画(BCP)策定等を視野に入れた議論をしていくことになりました。
このような前向きな取り組みが積極的になされたこと、また、私自身のコンサルタント時代の経験も活かして様々な提案ができたことを、とても嬉しく感じました。
1年間、議員として活動させていただいて、ずいぶんと行政や議会の見え方が変わってきました。
まだまだ日々驚くことも多くありますが、あと3年の任期、しっかり結果を出していきたいと思います。